2012年12月24日月曜日

本:「銅メダル英語」をめざせ!

銅メダルがあれば、当然、銀メダルや金メダルもあるわけで、もちろんそのことについても言及されています。「銀メダルレベル」であれば駐在員上位の語学力で英語で考えることのできるレベル、そして「金メダルレベル」であれば、会議通訳者でも活躍できるレベルであると規定しています。結論としては、フツーに英語をビジネスで必要としている人であれば、「銅メダル」レベルの英語をめざせば十分で、「極める」必要性はないというのが本書の趣旨です。

 具体的な学習法のひとつとして「ひらめき法」が紹介されています[p66] 。第1段階としては自分の思ったこと、そして、その次の段階として、目に見えたことを英語で表現する訓練が勧められています。この方法は、私の記憶が正しければ大前研一氏も言っていたと思います(通勤電車の車窓から見える風景を英語で描写してつぶやく方法だったような)。

 本書は基本的には英語をあくまでもコミュニケーションの道具として使うことが強調されており、その点は全くの同感です(実用的な英語を目指すほとんどの英語学習者は、英語は「コミュニケーションの道具」であるとする考え方に異論ないと思います)。
英語を道具としてみることに関しては、「英語で話すヒント」という本(「英語を話す」としていないのがミソですね)もありましたので、また、紹介したいと思います。

 本書では、英語の勉強を楽しく続けることが強調されています。(まあ、英語に限らずいかに「楽しく」勉強するかは重要な課題ですね)。で、シットコムドラマのフレンズが推されています。順序としては、
 ①字幕なしでみる
 ②字幕なしでこれ以上聞いてもわからないというレベルまで見る
 ③最後に英語の字幕をみて確認する
なお、私もこの方法でチャレンジしていますが、2-3回は字幕を見ずに英語音声だけで聞きとろうとすると、わからない部分が明らかになります。
(フレンズにようる英語学習に関してはウェブサイトがあるのでそちらを御参照ください。)
最初に日本語字幕をみて、概要を押さえたほうがよいという人もいるので、①→③の順序はそれぞれ変わってくると思います。

で、銀メダルレベルをめざすためには、どのくらい英語と触れあえばよいのかも具体的に書いてあります。著者の場合、Time誌の全体の8割である40ページを毎週読むことを実践したらしいです[p212]。さすがに「銀メダル」レベルでは、楽しく勉強を続ける領域からは離れている気もしますが、やはり一朝一夕には行かないのでしょう。

 結局は英語で何を、どのレベルでやりたいのかで勉強法も変わるし、あくまでもコミュニケーションの道具であれば、日本語を使う場合と同じなのではないかと思います。
また、英語(文化)であってもタテマエとホンネがあり、むしろ日本のものよりも建前と本音がはっきりと存在するのではないかと考察しています[p100]。結局は、言葉だけの意味合いではなく、「空気を読む」ことも日本語だけの特別な事情ではないと思います。

「一体何年英語を勉強すれば終わるのか」と悩んでいる方にはお勧めの1冊です。



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