2013年3月24日日曜日

「英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング」植田一三、妻鳥千鶴子

本書の内容を端的に述べると、まさにタイトル通りです(笑)。

 初めの部分では、論理性を鍛えるための具体例と問いが並んでおり、論理的でない意見の述べ方がどういう場合かがよく分かります。(例えば、「なぜ税金を納めなければならないのか?」という問いに対して、「それは常識です」と答えるのは、論理的な意見の述べ方ではない。)
実践トレーニングの項目では、具体的な論点について反対の場合、賛成の場合とそれらの表現、語彙について示されています。最近の「乱射事件」で再び話題になった銃規制に問題についても、反対および賛成のそれぞでの立場での表現例が具体的に示されています。

日本語に対応する英語を知らなければ、英語ではうまくいえない場合もあるでしょう。しかし、論理的に述べようとする場合に、「日本語」で語ることができなければ、それを英語で言えるはずもないから、まずは自分の意見や考え方を持っていることは必要ですね(「英語で話すヒント」でも同じ主張だった:つまり「英語の技術」ではなく、まずは「何を話すか」が重要)。

この本は英検1級対策にも最適なようですが、この本を買おうとした直接の動機は、英会話のグループレッスンでargumentのネタ(妊娠中絶の是非など)についてどう思うか、を話さなければいけないときに困ったためです。
賛成か反対か?そして、そう思う理由を述べなければいけない困った状況でも、この本を読むと基本的なネタに対する答えの典型例が示してあるので、それを基に学んで自分の考え方を固めれば次回からは論理的に意見を言えるでしょう。

議論のテーマとされるであろうほとんどの社会的なネタに対して意見を述べるための手助けに、本書はなりうるでしょう。

似たテーマの本も多く出版されていますが、理論と実践(実例)のバランスがとれた良書です。




先日、本屋をぶらついていたら、続編(というか改訂版)を見つけました(「英語で経済・政治・社会を討論する技術と表現」)。これから購入であれば、こちらのほうがよいですね。値段が上がっているのはCD付になったからでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿