2014年3月30日日曜日

「「ご指名社員」の仕事術」 柳内啓司

これからの時代、「ご指名」される社員じゃないとやっていけないと著者は言う。その根拠は、人間の仕事が容易に機械に取って代わられることと、世界がフラット化して同じ仕事であれば最も安いものを調達化となったからだとしている(『私たちは「amazonに並べられた商品」になる』という言い方をしている)。

「ご指名」に際して専門性のほかにコミュニケーション力(以下「コミュ力」)が必要で、しかも専門性をアップする前にコミュ力を向上させようと言っており、さらに、コミュ力のなかでも「気がきく」スキルが重要だと言っている。
私が思うに、「専門性」がズバ抜けていれば、コミュ力が乏しくてもなんとかなる場合もあるだろう。  しかし、大抵の場合、ずば抜けた専門性では他人と差別化できないために、コミュ力の差で「ご指名」されるかどうかが決まるのだろう。以前紹介した本(「うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ」)も、専門性の高い職種でも、コミュ力が重要であると指摘していた。
著者の言うように「気がきく」ことは重要だと思う。しかし、それって相当難しくないか?少なくとも、会社のなかで「気がきく」といわれるためには、その対象となる相手に対して関心をもち、よく観察することが必要であろう。「気がきく」スキルはある程度磨くことができるかもしれないが、生まれ持った才能の一部なのかもしれない。

 先輩社員とは飲みに行くことを勧めており、そのメリットとして企画がダメな理由や本音を聞くことができるとしている(一昔前ならば、わざわざ本で書かれることもなかったのでしょうが)。また、普段から他の部署にぶらりと寄って話しをする(=著者は「社内パトロール」と呼んでいる)ことが、いざというときのご指名につながると述べている。接触の頻度が高いほどその関係は親密になるのは心理学的にも証明されている(はず)なので、本書では触れてはいなかったが、おそらくゴルフをすることも会社勤めのうえでは重要なことなのであろう。つまり、仕事を離れた関係が仕事の中の関係性に影響するので、これをうまく利用していくべきであろう。


社会人経験5年以上なら、あまり新鮮でないかもしれないですが、新入社員ならば読んでおくべき内容が多いです。

2014年3月16日日曜日

カーニバルといえばGlobeleza(?)

ブラジルでカーニバル期間中はテレビ中継されていた(夜中から朝方まで)。テレビのスポットで"Globeleza"の文字とともにダンスする謎の女性が気になった。
その様子を以下に示す(テレビを直接写したので不鮮明です)。

























気になったのが、この女性は何者で、そしてほとんど素っ裸なのではないかという点である。
はじめにでてくる「Globeleza」にヒントがあると思い辞書をみたが見当たらない。ネットで検索すると、ブラジルのテレビ局の名前Globoと、ポル語のbeleza(「美しい」)の合成語であり、テレビ局のカーニバルキャンペーンガール的なものであることがわかった。(「globeleza 2014」で検索すると、TVスポットの動画もみることができます。) 
この女性の正体は、4000人の中から選ばれたNayara Justinoという25歳の女性だ。
(こちらのfacebookにも、上記と同様の画像があります。)

2つ目の疑問点である「素っ裸かどうか」だが、どこをどの程度隠していれば「裸ではない」と言えるのかの定義次第だ。ブラジルのカーニバルあるいは、ブラジルの浜辺の光景(テレビでしか知らないが)を見る限り、その線引きはかなり曖昧であろう。(日本ではこれを放映するのはダメだと思いますが。)

こうした環境が、そこで育つ人間の価値観や生き方にどういう影響を及ぼすのだろうか。日本がラテン化するのが難しい要因のひとつなのかもしれない。

2014年3月15日土曜日

スマホを翻訳機へ

「Google翻訳」はかなり便利だ。音声で入力したり、カメラで取り込んだ画像の文字を翻訳できる(らしい)。ただし、これらはオンラインでしか機能せず、スマホで常時接続じゃないと使えない、だから、海外の超地方(現在いるブラジルの北部)ではダメだと思い込んでいた。
ところが、である。
ポルトガル語の翻訳もダメだと思っていたのだが、実は、オフラインでも、あらかじめ「オフライン言語パッケージ」をダウンロードしておけば使えることを今頃気づいた(Googleオフラインを参照)。

個人的な使用上のポイントは、「日本語翻訳」にせずに、「英語」を選択することだと思っている。すなわちポルトガル語⇔英語の翻訳機能を使うことである。なぜ日本語ではないのか?翻訳機がかわいそうだから(w)。 そうではなく、明らかにヘンテコな日本語訳になることが多いからである。言語の特性からしても、日本語への翻訳は機械翻訳は難しい。なので、最初から英語を使うことを推奨したい。

スマホがいいのは、スーパーマーケットの中で商品の言葉を検索するときに、あまり違和感がない点である。たぶん店内で、辞書を開く、あるいは電子辞書を開くのは少し目立ちすぎる気がする。その点、スマホであれば、ふつうにメールをしているようにみえるはずである。

入力は「入力方法の選択」から「外国語キーボード」を選ぶとポル語でも入力可となる。

他の注意点(個人的には)としては、多少は翻訳される言語の知識をもっていたほうがベターだという点である。翻訳の精度が向上したといえども、とんでもない翻訳をする可能性もある。それが「とんでもないか否か」を気づく程度の知識がなければ、危険だからである。


Google恐るべし。しかも無料とは。
ひと昔まえならば考えられなかった技術の進歩である。

2014年3月9日日曜日

カーニバル(ブロコ編)

この前書いたカーニバルは、テレビでよく紹介されているエスコーラのカーニバルだったわけだが、街中をパレードするタイプもある。カーニバルのコンテストではなく、ブロコが町中を練り歩くといった感じだ。
ウィキの説明「サンバ(ブラジル)」を以下に引用する。
ただし、近年のカーニバルはあまりにも観光的・商業的になり、またエスコーラが麻薬や賭博など犯罪組織の温床ともなっていることなどから、エスコーラから離れたり、また距離をおくサンバのミュージシャンも多い。そのような昔のサンバを知る人は「昔のサンバはよかった」というのが口癖となっている。またそれらの人々はエスコーラなどの組織を離れて、それより比較的自由なブロコ・カルナヴァレスコ(略称:B.C.ブロコはブロック、つまり塊りの意、カルナヴァレスコはカーニバルが好きな人などと訳す)を結成したり移る人もいる。ブロコはエスコーラのようなコンテストとは無縁なのでサンボードロモではパレードせず、リオ・ブランコ通りなど街中でパレードし、比較的庶民的で地元と密着しているのが特徴的である。
滞在中の都市でもやるということなので、見物に行った。
見ていると、一応はそれぞれのブロコがあるらしく、同じ色のシャツを着ているのでわかる。しかし、ほとんどはただ歩いているだけで、さまざまな仮装が目立った。


こんな感じで群衆のパレードが延々2時間以上。
各ブロコの先頭には、大型スピーカーを山積みにしたトラックがいて、大音響で音楽を流していた。








女装集団は、いろいろ。
ほんとに女装を目指した一群もあれば、こんなふうにわかりやすい感じの一群も。







この一群は風呂上り仮装!
衣装代が安く上がるのが利点?
(左側には女性が)







ここでも、例のキャンペーンが行われており、参加者や観客にコンドームが配布されていた。ただし、それらが「正しく」使われていたかは不明である。「正しくない」使われ方はこんな風だ。


この女の子が膨らませたのかは、わかりませんが、
明らかにコンドーム風船。
右下の母親らしい人は何と言ったのでしょうか…
「正しい」使用法を教える年代はどのくらいか気になります。







日本では、カーニバルのような「ばか騒ぎ」的な全国規模のイベントがみられない。先行きの不安はあるものの、日本でもこうしたイベントができればと思う。その一方で、こうしたバカ騒ぎができないことが日本人の特性かとも感じるのであった。

2014年3月6日木曜日

「カーニバル」と「キャンペーン」

ブラジルの2-3月といえば、「カーニバル」の時期である。なぜ、「時期」といったのかといえば、それは年によって日が変わるからである。(つい、この前まで知りませんでした。2014年は3月4日ですが、2月28日ごろからイベントは始まったようです。)

カーニバルといえば「リオのカーニバル」が有名だろうが、他の都市でも規模の違いはあるが行われている。私の滞在している都市でもやっているらしく、こちらのツテがあり見に行った。(夜は物騒なのに、開始は午後10時で終了は朝5時ごろの予定ということで本来ならとても一人で行くことが出来ない。)

途中で引き揚げたものの、やはり生で見ることができたのは貴重な体験であった。

リオに比べれば小さいですが、サンボードロモを各エスコーラがちょっとづつ進んで披露します。 

ブラジルのカーニバル概要はwikiのこちらをどうぞ。

山車もあれば、人の行進もありで、ある人は「ディズニーランドのエレクトリカルパレードのようなものだ」といってました。










この時に気になったのが、ある「キャンペーン」である。
事前に購入した入場券でゲートを通過し、歩いていると、透明な90L容ほどのビニール袋から、すれ違う人に何かを渡している一団と遭遇した。何かのキャンペーンらしい。貰ったものを見てみると、3つ連なったコンドームではないか。他の一団にも会い、そこでも同様にもらったのでポケットがいっぱいに(現物の写真は下のほうを参照)。

そういえば、テレビのCMでもそれらしいものをやっていたのを思い出した。ネットで検索すると、この時期は国がキャンペーンをやっている模様。
CMが番組内で紹介されていた動画は↓

さらに、街中を歩いてみると、そのキャンペーン看板や横断幕が交差点で見受けられた。

ここは交差点のすぐ近く(車の中の二人は関係ありません)


ここの交差点にも。
そして、ここの交差点にも。

「自分で予防しましょう。コンドームを使いましょう」
と真ん中に書いてあります。
「use camisinha」が、英語では「use condom」
ですが、英語のuseはポル語ではusarで、-ar動詞で勧誘形だから-eに変化してuseなのです(たぶん)。

こちらは、キャラクターまで描かれています(ゆるキャラ?)

会場で配られていたコンドーム。








カーニバルだから「そういう」機会が増えるので、キャンペーンをしてコンドーム配布までやるということは、HIVの拡大が深刻であることを裏付けているのだろう。キャンペーンの費用も相当額であろうが、予防に費用をかけたほうが、結局は社会的な負担を低減できる。
そういえば、日本でも避妊具の使用について中学から積極的に教育しようとした動きに対して、「寝た子を起こすことになる」と反対されたニュースもあった気がする。

カーニバルで「そういう」機会が増えるのであれば、日本でもカーニバル的なイベントをすれば、人口増加の一助となるかもしれない(日本の人口減少問題がそんなに簡単に解決できるならよいのですがね)。

「文化の違い」といってしまえばそれまでだが、その「違い」がそこでのヒトの生き方にも影響を及ぼしているに違いないと感じた。

2014年3月2日日曜日

英語が使えれば、外国では何とかなるのか?

ブラジルでは、高確率で英語が通じないと感じている。サンパウロの空港国内線のチェックインカウンターでも怪しいものだ(「aisle seat」をお願いしたのだがが通じず、がっかりした)。都市部で外国人が多いところでは「英語が通じてもいいだろう」と思う。都市部がそんな感じなので、今いる地方都市ではさらに英語通じる確率が大幅に下がるのは、当然の道理だろう。

ただ、日本での状況を考えてみるとどうだろうか。東京などの都市部では英語の通じる確率は高いだろう。しかし、地方(あるいは田舎と呼んだ方がよいかも)を考えてみると、片言の英語でさえ通じる確率は、ここブラジルの地方都市と変わらないのではないか。

結局は、その地へ行けば、その地で通用する言語を使うのが「筋」であり、「英語さえも通じないのはけしからん」と思うのはむしろ大きな勘違いである気がする。

そうはいっても、世界の共通語としての「英語」の力に変わるところはない。ネイティブスピーカーのレベルになるのは無理であるにしても、意思疎通ができる程度に、英語「で」コミュニケーションをとれるだけの英語力は必須であろう(そういう自分の英語力も怪しいものだが…w)。